コラム

木を植えて光合成について考えてみよう

 最近、新築の家を見ると樹木を植栽している家を見たことがない。

あったとしても花壇に野菜を育てる小さなスペースを設けている程度である。

これは、個人宅だけでなく公園を作る公共事業でも樹木の植栽は著しく減少している。

なぜか、樹木の管理に費用がかかる。剪定、落葉、害虫等面倒な問題が多いから、つまり植栽後の管理で躊躇するのである。

 植物(ここでは樹木全般を含み「植物」と呼ぶ)の偉大な働きは光合成である。

光合成とは二酸化炭素と太陽の光を利用して糖と酸素を作る。

光合成を行える植物は酸素だけでなく炭素も固定する。(温暖化防止にも役立つ)

 

 化学式に直すと 

 6CO₂(二酸化炭素)+12H₂O(水)+光エネルギー ➡ C₆H₁₂O₆(グルコース)+6H₂O(水)+6O₂(酸素)

 

 化学式では単純であるけどこれを人間が行うことは大変難しい。葉っぱ1枚が出来る事が出来ないのである。

葉は他にも、空気中の塵、有害物質等を吸着させる空気の浄化、外気温が35℃以上になっても葉は熱くならないため気象の緩和

(蒸散作用)緑による日陰等、人間の世界に潤いをもたらす。その中でも今回は二酸化炭素の固定について考えてみましょう。

 例えば、皆さんの自宅に胸高直径6cm・樹高3mぐらいの樹木を1本植えたとしましょう。

はたしてこの樹木は年間どれくらい二酸化炭素を固定するでしょう。 

 

  計算式

       

   

 上記の式Xに6をいれて計算すると年間CO₂固定量は6.7㎏となります。結構な量を固定するのが分かります。

 これを機会に樹木を何本が植えてみるのもどうでしょうか。二酸化炭素は固定され酸素は供給されます。

 そして一番いいことは家全体の外観が樹木のおかげで引き立ちます。 

                                        ㈱旭川公園管理センター樹木医 内田則彦