最近、「大量のモンシロチョウがサクラの周りに舞っている」、「今年は何でこんなに多くのモンシロチョウが発生しているのか?」と公園管理センターの方にお問い合わせがあったみたいだ。
それでは、どうしてなのか私なりに考えてみよう。
まず、モンシロチョウが成虫になる前、幼虫時期は何を餌にしているのか、おもにセイヨウアブラナ、ナズナ、イヌガラシ、野菜では、キャベツ、ダイコン、ブロッコリー等のアブラナ科の植物を餌とします。
桜の葉を食べることはありません。成虫になってからも桜の花の蜜を吸っているところを見たことがありません。
このようにモンシロチョウは桜の木の周りよりも白や黄色の花が咲く視界の広い明るい畑や野原みたいなところを好みます。
また、モンシロチョウに似たスジクロシロチョウは、街中で多く見られ樹木が育つ樹林的な環境を好むため桜の周りでよく見られる。最近ではモンシロチョウよりスジクロシロチョウの方が多く目にすることからスジクロシロチョウではないかと判断する。
モンシロチョウ
スジクロシロチョウ
モンシロチョウの幼虫は桜の木に見る事がありませんが、チョウ目(鱗翅目)の中で、よく桜の葉に発生しているのは、オビカレハ、モンクロシャチホコ、ヒトリガ、リンゴケンモン等です。
一般に毛虫と言われる蛾の仲間です。これらは発生すると一晩で桜の葉を全部食べてしまう事もあります。
大量発生時、側にいると毛虫がミシミシと食べる音を聞くことがあります。
オビカレハ
モンクロシャチホコ
ヒトリガ
リンゴモッケン
株式会社 旭川公園管理センター
樹木医 内 田 則 彦