コラム

樹木も寒さから子孫を守る

 旭川も雪が解け始め、段々暖かくなってきました。北海道で育つ樹木たちも厳しい冬の寒さを乗り越え暖かい春を待ち望んでいる事です。

 街路樹、公園と多く植栽されている落葉樹は、夏から秋にかけて翌年春に芽吹くよう芽を形成し落葉して休眠に入ります。 しかし、カシワやナラのブナ科の中には秋になっても茶色になった葉を落とさず春まで落葉しないものがあります。

  (市内 アカナラ)

 これは、マレッセンス葉といい、茶色く光合成能力を失っても枯れ葉が冬芽を守って着葉しているとため言われています。 樹木も子孫を守るため頑張っているのです。

 一般的落葉樹は秋には葉を落とすのに、どうして一部の樹種ではこのような現象が起きるのでしょうか、落葉樹は葉柄の根元に離層組織を作り、植物ホルモンの働きにより葉を落とします。しかし、カシワやナラは離層組織が作りにくいのか茶色になっても、なかなか葉を落とせないのです。このように葉が落ちにくい性質を枯凋性(こちょうせい)と呼びます。

㈱旭川公園管理センター

樹木医 内田則彦