「宮」と言う字の意味を皆さんは知っていますか。神を祭るところ、天皇や皇族の住む所。東宮とは皇太子の居所、つまり住居する場所を意味し転じて、皇太子そのものを意味する言葉にもなった。
旭川の宮下東宮公園は、元々は神を祭る所であったため、旭川市としては樹木を伐採せず周りを囲って公園として残していったのではないかと考える。だから一般的に作られた公園より、古くて大きな樹木が多いのです。
また、上川神社は、元々東宮公園周辺にあり、大正13年に今の神楽岡公園に遷座しました。だから今でも址の碑が建っており、お神輿渡御においても立ち寄ります。
では、神社仏閣にイチョウの木が多い理由、「イチョウ」の木は水分を沢山含んでいて、難燃性の樹木であり、土を選ばず生育し、燃えにくく、防火の役目を果していることから火災が発生しないよう願いが掛けられているのです。江戸時代には防火用の空地である「火除け地(ひよけち)」にイチョウが多く植えられた。これにより火事が起きた際に火が燃え広がるのを防ぐことが出来た。また、木が高く遠くからでも建物が見つけられたことから、建物のシンボルとして「イチョウ」の木が植えられた理由とも言われています。
「イチョウ」の実「銀杏」は食用になり大変栄養がありますが、匂いがすごく、また落ちた葉には水分が多く含むため燃えにくく火勢が上がらない、イチョウの葉にはシキミ酸が含まれているので防虫効果も高いのが特徴である。
また、古来、日本人は日々の生活の中で目に見えない大きな力を感じてきました。それらは岩や木、山や海、火や水、風や大地などさまざまな自然の中に見出され、さまざまなものには神さまが宿るとして祀られるようになりました。やがて神を祀るところを神社となった。(神社本庁より)
上記の様な理由が有る為、宮下東宮には昔の人たちの手で多くのイチョウが植えられたと考える。その事を理解せず葉が落ちるから、大きくなって危険だなど現在の理由で、伐採、強剪定を行う事が本当に正しいのか私には理解できない。公園になった時から適正な管理を怠ったため手遅れになったとしか思えない。また、旭川市内にある神社には必ずと言っていいほど大きなイチョウの木がある。
一般社団法人 日本樹木医会
樹木医登録番号 1860号
内 田 則 彦